差分統合理論

Difference Integration Theory


概要

差分統合理論は、

意識・クオリア・主観・感情・思考・学習・意思決定・行動・生命

を、単一の原理「差分」によって統一的に説明する理論である。


相対性理論が、観測者によって時間や長さが変化する 「観測者依存の物理世界」を示した理論であるとすれば、

差分統合理論は、内部基準によって意味・価値・感情・判断が変化する 「観測者依存の認知世界」を記述する理論である。

両者は影響関係にあるわけではなく、 異なる分野から独立に出発しながら、 観測者によって世界が決まるという構造において 類似した世界観に到達している。


本理論の核心はこうだ。

生物は環境との相互作用の中で差分を検出し、 内部基準に基づいて差分を評価し、 学習と意思決定を行うシステムである。

主観・クオリア・感情・思考・学習・意思決定は、 この差分評価システムの異なる表現・機能に過ぎない。


理論の基本構造

環境
→ 差分検出
→ 内部基準との比較
→ 主観・クオリア・感情
→ 思考
→ 学習・意思決定
→ 行動
→ 環境変化
→ 差分

この循環によって、生命・意識・感情・思考・学習・意思決定が説明される。


理論の前提

差分とは、

予測と結果・期待と現実・内部状態と外部状態の 不一致・ズレ・変化量を意味する。

生物および認知システムは、 この差分を内部基準に基づいて評価し、 最小化・制御する方向に学習と意思決定を行う。


一人称性もまた差分の構造から生じる。

自分という基準点と他という外部点、 この二点が揃って初めて差分が生じる。

自分だけでは差分がない。 他だけでも差分の主体がない。

一人称は差分検出の構造的必然として生じる。


理論の対象領域

意識・クオリア、主観・自我、感情、思考、学習、意思決定、行動、生命、認知科学、人工知能、制御理論、情報処理システム


理論導入

  1. なぜ世界は「体験」として存在するのか――クオリア・主観・思考をつなぐ差分統合理論

本理論全体の導入および概念説明を目的とした総論。差分統合理論の背景となる問題を一つの流れとして説明している。


入口論文

  1. クオリアとハードプロブレム――脳が私であるという答え

本理論群の入口にあたる。クオリア・ハードプロブレム・脳=私・一人称性・差分検出の関係を最も短い形で提示している。


基礎理論

  1. クオリアの多層構造仮説
  2. 主観はどこから生まれるのか
  3. 差分認識と主観の発生

認知・感情・思考

  1. 差分・感情・思考の統合モデル

学習・意思決定

  1. 期待・結果・差分による意思決定と学習のモデル

統合理論

  1. 差分認識と内部基準による主観・学習・意思決定の統合理論
  2. 差分統合理論

推奨読了順

  1. なぜ世界は「体験」として存在するのか
  2. クオリアとハードプロブレム
  3. 主観はどこから生まれるのか
  4. 差分認識と主観の発生
  5. 差分・感情・思考の統合モデル
  6. 期待・結果・差分による意思決定と学習のモデル
  7. 差分認識と内部基準による主観・学習・意思決定の統合理論
  8. 差分統合理論
  9. クオリアの多層構造仮説

著者

Shinichi Fukuyama / f1x(fix2000)